野生の犬について (5)
 
野生種の将来のため、メス犬が発情期を迎えてくると野生のオス犬と交配をさせます。 
中東のカナン・ドッグは原始的な犬なので、他の犬とは違う特別な方法で繁殖させます。 
血統を守るために、飼育しているカナン・ドッグは野生のオスと交配させるのです。 
そうは言っても、カナン・ドッグは伝統的に遊牧民と共に移動してるのでメスを砂漠に連れて行かなければならないのです。
 
遊牧民は砂漠でカナン・ドッグに羊の見張りをさせています。 
この犬は羊を敵から守っています。特に夜に現れるのが羊を狙うオオカミですが、これを犬が追い払います。 
我々も不審者と思うようで近づくとこちらの様子を伺い、犬はとても警戒します。 
番犬としては優秀な行動ですね。
 
カナン・ドッグは更に素晴らしい機能を持っていることが分かってきました。 
それはラクダと同じく砂漠に順応するということです。 
まず高温から身を守るために、体温を自動調整できます。しばらく水を飲まなくても全く問題はありません。 
そして、足が強いので石のゴツゴツした地面でも平気で歩けますし、食料が貧しくても大丈夫です。 
生命力が強い犬なのです。 
もっと面白いのは、犬が人間のリーダーになるということです。 
普通犬なら人間に絶対服従しますが、カナン・ドッグは場合に応じて人間に命令します。
 
砂漠の奥に進めば、より純粋なカナン・ドッグに会えるのでトップブリーダーは場所を移動します。 
昔からの暮らしを守っている遊牧民が少なくなったため、伝統がなくなるにつれ犬も消えてきました。 
それ故に、現存する数が減っているんです。
 
砂漠の奥に行くと、山腹でカナン・ドッグが縄張りの辺りをうろついています。 
そういう所にがオスがいますが、しかしとても気が荒く、遊牧民もそういったオス犬には近づけないそうです。 
遊牧民達に余分な子犬がいると貰えることがあります。 
彼らと信頼関係を築くことができれば、その証拠に子犬を貰うことができます。 
遠い昔、こうした交流がカナン・ドッグを地域に広めました。 
砂漠で生まれた子犬たちはペットとして街で暮らすことになるでしょう。
 
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